バンクーバー 天然のサーモンの供給が危機的状況
カナダ・バンクーバーで一番の名物のサーモンですが、
最近は川でとれる天然サーモン(紅鮭)の供給が危機に瀕しています。
ぼくはカナダ移住後はほとんどシーフード業界に身を置いています。
特にバンクーバー名物サーモンは何千匹販売したかわかりません。
サーモン販売のプロであるぼくが、バンクーバーのサーモン市場の現状を説明します。
飲食店ではサーモンがメニューから除外
温暖化による水温の上昇、汚染、乱獲、ダム建設などの環境破壊で、
サーモンが川に登ってこれず天然のサーモンが取れなくなってきています。
一時的な措置でのちにまたサーモンをメニューに加えることを望んでいます。
天然のサーモンはオーシャンワイズという認証がついている場合が多いです。
オーシャンワイズとは地球環境に優しく持続可能なことを意味するので、
数が減ってるサーモンをたべることはオーシャンワイズの趣旨に反します。
代替品として注目されているのが、
養殖されている淡水魚のサーモントラウトです。
ちなみに日本の回転寿司のサーモンの多くはこのサーモントラウトです。
もっと読む:カナダ バンクーバーの寿司屋(日本食レストラン)事情
オーシャンワイズの認証が商品価値を高める
現在オーシャンワイズが認証しているサーモンは特定の地域で採れる2種類
コーホーサーモン
シヌックサーモン
いまオーシャンワーズの基準に満たさないサーモン
ピンクサーモン
サーカイサーモン
チャムサーモン
カナダも健康志向の強まりで、養殖より天然が好まれる傾向があるため、
天然と養殖では価格が3倍異なります。
味はオーシャンワイズより養殖が上?
味の特徴としては、サーカイサーモンは赤に近いオレンジ色で油がありませんが、
アトランティックサーモンはオレンジ色で油があるので、トロみたいで日本人好みです。
共に生食可能ですが、
天然のサーモンは寄生虫を殺すため事前に冷凍する必要があります。
養殖のサーモンは寄生虫がいないため、そのまま食べてオーケーということです。
価格高騰に対する飲食店の考え方
レストランは天然サーモンを取り扱いため、当然乱獲に反対です。
上記のような事情ですと、サーモンを取り扱っている飲食店経営者は値上げには応じてくれます。
通常であればレストランオーナーは、
食材のコストは一円単位で気にしているのですが、
あくまでもそれも市場状況に沿った形ということになります。
ただあまりにも価格が高騰しすぎると、
メニューから外して一時取り扱いを停止するというのも選択です。
まとめ
いかがでしたか?
カナダ名物サーモンが以前より、
採れなくなっていている状況がおわかりいただけたでしょうか?
供給が不足しているなら、値上げしかありません。
それができないならメニューから外すしかありません。
製造者や出入りの業者が泣く話ではないのです。
サーモンに限らずカナダでは魚介類の原価は昔と比べて、
コンスタントに上昇が続いています。
よって地元で採れる食材も海外から輸入されているものもいろいろあります。
それは昔は生魚は日本人しか食べなかったのに、
今はカナダ人はじめ世界的に人気だからです。
天然のサーモンが気軽に食べられなくなる時代が来るかもしれませんね。