カナダ 本当にあった禁酒法時代

カナダ 本当にあった禁酒法時代

禁酒法

カナダはかつて禁酒法の時代がありました。19世紀終わりから20世紀始めにかけて、全国的には1918年から1920年の期間がアルコールの販売は違法となっていました。

カナダの19世記、特に男性は酒を飲む人が多かったそうです。また女性や若者も普通に飲んでいたそうです。泥酔、トラブル、家庭内暴力、健康問題、社会秩序を乱す、犯罪を助長、など社会の乱れが目立っていました。

このような社会情勢で1820年代に禁酒運動に拍車がかかりました。長年にわたる禁酒運動の成果で、1840年代に禁酒の風潮が社会的に寛容され、すべてのアルコールが危険だとみなされるようになりました。

禁酒法が導入されたきっかけは禁酒運動家による活動の成果で、酒は害悪であり国の発展を阻害するという論理が通りました。もちろんその反対派(酒合法派)もいましたが、反対派が政府を説得することができず、禁酒派のパワーが上回ったということです。

禁酒法に反対する人たちや酒が好きな人たちは当然法律を守るはずもなく、違法で密造酒を飲み続けました。

カナダ 禁酒法下の秘密の酒場 スピークイージー

禁酒法

この非合法のもぐりのバーはスピークイージーと呼ばれ、地元のギャングなど反社によって経営されていました。その存在は決して表に出ず、もちろん広告などにも出ていないため、口コミでたどり着くしか方法がありませんでした。店舗はわかりづらい隠れた場所にあって、ホテルやレストランの中、一般住宅、地下、倉庫や小屋など様々な形態がありました。合言葉やパスワードを囁いて中に入れたそうです。

形態としてはジャズバー、パブ、ナイトクラブ、ラウンジなど様々で、秘密の店内ではひっそりと飲むとは限らず賑やかな光景だったそうです。

スピークイージーは別名ブラインドピッグとも呼ばれ、その違いは前者が富裕層向け、後者が下層階級とのこと。

禁酒法時代は長くは続かず廃止されました。

理由は基本的に皆酒が好きということ。第一次世界大戦に入り、禁酒運動家の存在感が弱まった。政府によるサポートが手薄だったため、法規制や取締りの欠如、治安の悪化など。大衆が密造酒を多くのスピークイージーで飲むことが社会的に寛容され、法がなし崩しになってきたため。

BC州は1917-1921、アルバータ州は1916-1923、オンタリオ州は1916-1927の期間で禁酒法が適用されていました。赤毛のアンのプリンスエドワードアイランドは1901年から1948年というもっとも長きに渡って禁酒法下にありました。

飲酒が合法化されてからは規制に代わり、特別に税金を科したり、営業は深夜2時まで、泥酔者には提供しない、未成年に売らないことなどが義務になりました。

資料:ウィキペディア

THE RISE AND FALL OF PROHIBITION IN CANADA