カナダの最低賃金上昇中で経営者の方針は?

カナダの最低賃金上昇中で経営者の方針は?

ここ数年カナダでは全国的に最低賃金が上昇傾向にあります。

一番高いのがアルバータ州の15ドルですが、アルバータ州では近年に数年間に渡って毎年最低賃金の上昇が行われていました。

ちなみにアルバータと違い生活費が断然高いバンクーバーは現在$13.85で今年、来年段階的に上がっていき来年でアルバータ州を超える$15.2になります。

僕は8年間アルバータ州で日本食レストラン相手の営業をしていました。レストランのオーナーは従業員の賃金上昇には頭を悩ませていて色々対策を練っていました。

1. 商品仕入れコストの削減交渉

レストランで使用している全商品の仕入先と価格を一旦白紙に戻して、複数業者に見積もりと商品サンプルを出させるところもありました。品質と価格のバランスで取引先を変更するというビジネスライクな形態になります。

現在のアルバータ州は競合他社が増えて、昔のような義理と人情で特定の業者一択と言う時代ではなくなりました。

2. 原材料のグレードを下げる

例えば日本食レストランで使われている米は全てカリフォルニア米でグレードで分けると3種類になります。
今まで高級米を使っていたところが中級米にグレードダウンすることによって仕入れ価格が3割4割安くなります。

3. 販売価格値上げ

これはメニューを見ればわかります。それは当然のことです。アルバータ州はもともとバンクーバーと比べて日本食は高い傾向にありましたが、ここ10年の値上げ値上げで今ではラーメン一杯税金とチップ入れて$20です。

4. 従業員のシフトを減らす(数を減らす)

よくオーナーさんは人材を調整せざるを得ないと言っていました。政治レベルとしては従業員の所得上昇を目的とする最低賃金改定でしたが、結果本末転倒な結果を招いております。

バンクーバーも今年、来年と最低賃金が上昇し、カナダ最高値になります。上記アルバータで起きたことがバンクーバーでも起きるのではないでしょうか。。。

カナダ10州と3準州の時給

オンタリオ州:$14(酒を提供するサーバー$12.2)

アルバータ州:$15

ケベック州:$12.5(チップをもらう人$9.8)

BC州:$13.85 (酒を提供するサーバーは$12.7)    $14.60(2020年6月から)     $15.20(2021年6月から)

マニトバ州:$11.65

ニューブランズウィック州:$11.50

ニューファンドランドランドラブラドール州:$11.40

ノバスコシア州:$11.55 (未経験$11.05)

プリンスエドワードアイランド州:$12.25

サチュカチュワン州:$11.06


以下準州

ユーコン:$11.51

ヌヌバット:$13

ノースウエストテリトリー:$13.46

資料:レストランカナダ公式サイト